人材派遣に年齢制限はない!年齢よりも重要なものとは
派遣スタッフとして働きたいけど年齢制限が心配、そんな人も多いのではないでしょうか。結論からいうと、現在は雇用対策法の改正によって、基本的に事業主が採用に年齢制限を設けることは禁止されています。実際に現場では多くの40代50代が活躍しています。この記事では、採用される人材が求められているものは何なのかについて解説します。
派遣スタッフの約半数は40~50代
厚生労働省の平成29年派遣労働者実態調査の概況によると、派遣スタッフの年齢は「40~44歳」が16.5%と最も多いことが報告されています。さらに「45~49歳」が13.1%、「50~54歳」が9.5%、「55~59歳」が5.7%となっており、40~50代の割合が全体のおよそ45%となっています。
前回の調査では「35~39歳」が最も高かったことから、年々40~50代で派遣として働く人が多くなってきていることがわかります。この背景には、雇用対策法の改正により事業主が行う労働者の募集・採用において、年齢制限の禁止が義務付けられたことがあります。
さらに少子高齢化によって40代以降が働きやすい環境になってきたことがあります。若者世代の働き手が減ってきている中で、40代50代の即戦力の人材が求められています。派遣登録は、年齢はもちろんのこと、性別や学歴、職歴、スキルや資格に関係なくできます。40代ではITエンジニアやテレフォンオペレーター、金融事務、セレモニースタッフ、介護・福祉、50代では接客や清掃、製造業、介護・福祉などが人気です。今まで培ってきたスキルや、人生経験を活かした仕事が多いようです。
年齢による求人や採用傾向の違い
年齢による求人や採用傾向に違いについて見ていきます。20~30代の派遣スタッフはやる気や成長性に採用基準を置いている企業が多いようです。逆に40~50代に対しては熟練したスキルや社会人としての経験が期待されています。即戦力としての人材を求める企業が多いようです。
以下で年代別の傾向について詳しく解説していきます。
■20代の場合
未経験者でもやる気や成長性を基準にされる傾向が強いです。その後の評価次第で直接雇用の可能性あるでしょう。ただし最初から正社員として入社するのに比較して、補助的な仕事を任せられる職場では思うようにスキルを伸ばせない可能性もあります。
■30代の場合
20代に比べると、社会経験や即戦力としての人材を期待されることが増えます。しかし30代もまだ企業がポテンシャルを重視する傾向が強いでしょう。子育て世代が少ない時間を活用して働くなど働き方に多様性が出てきます。
■40代の場合
この年代になると社会経験や資格、ビジネス的な基礎能力がある場合が多く、即戦力としての採用を期待されています。採用確率も高いです。とはいえ20代30代を積極的に採用する企業も少なくありません。同じ土俵に乗らずに今までの経験をアピールするとよいでしょう。この世代は扶養家族がいる人が多く、正社員に比べると給与面で物足りない場合もあるかもしれません。
■50代の場合
50代の活躍が拡大しているとはいえ、選り好みはできないのが現実です。自分のスキルや経験を活かせる仕事を重点的に探したり、条件を緩めにして広く探してみたりすることが大事です。50代を積極的に採用している派遣会社などに登録することも方法のひとつです。自分の経験を活かせる仕事についてキャリア相談してみるのもいいでしょう。
人材派遣では年齢よりもスキルや経験が重要
派遣で働くにあたって、とくに40代以上で年齢のことを心配している人も多いのではないでしょうか。雇用対策法によって年齢による採用の制限は認められていません。しかし、20代30代とまったく同じ土俵で戦えるかというと、そうではないのが現実です。では40代以上が派遣で働くことは厳しいのかといえば、そんなことはありません。
先に述べた通り、現在は40~50代の派遣スタッフが全体の半数近くを占め、活躍しています。60代以上を含めれば全体の55%以上を占めています。企業が40代以上の派遣スタッフに求めているのは、即戦力としての能力です。それは今までの仕事で培ってきたスキルや社会人としての経験といいかえることができます。企業にとって、新たな人材を採用し育成することは多くの費用が必要です。
また採用にはリスクも伴います。即戦力の派遣スタッフであればそういったコストを軽減できます。だから企業は派遣スタッフを採用するのです。
では具体的にどういったスキルが求められているのか解説していきましょう。
まずどんな仕事においても必ず求められるスキルがコミュニケーションです。報告・連絡・相談ができることはもちろん、基本的に挨拶や勤務態度などのヒューマンスキルも期待されています。
仕事別に求められるスキルは、事務職であればOfficeの操作全般、タイピングなど、貿易関係・外資系ではTOEICやTOFELの一定以上のスコアなどです。自分のスキルを整理して、派遣会社の担当者に共有しましょう。自分は資格といえそうなものを持っていないから無理、とあきらめる必要はありません。厚生労働省が派遣スタッフの能力開発やキャリア形成の見直しを行っており、スキル習得の研修支援などに対応している派遣会社も増えてきました。
また専門の資格がなくても、社会人として働いてきた経験や、ビジネスマナーもスキルと考えることができます。実際にセレモニースタッフやサービス業など落ち着いた対応が求められる職場で40代以上の活躍が増えています。自分にはスキルがないと思っても、何かの経験が活かせる可能性があるので、まずは派遣会社の担当者にキャリア相談してみることをおすすめします。
現在40代50代でも活躍している派遣スタッフはたくさんいます。そのための環境も整っています。企業は年齢に関係なく即戦力の人材を求めており、スキルと経験がますます重要になってきました。自分にはどんなスキルや経験があるのか、今一度整理してみましょう。もし現時点でスキルがなくてもスキルアップをサポートしてくれる派遣会社も多いので、まずは相談してみるとよいでしょう。