派遣でキャリアアップを目指す方法を紹介

派遣社員として働いているなかで「いつかキャリアアップしたい」と思ったことがある人は多いでしょう。実際に、派遣社員からキャリアアップした事例は多くあるため、過度な心配はいりません。今回は、派遣でのキャリアアップのメリットと具体的なキャリアアップ例を解説していきます。本記事が、キャリア見直しのきっかけになれば幸いです。

派遣社員でもキャリアアップは可能

結論からいうと、派遣社員でもキャリアアップを実現させることは可能です。

社会人として働くうえで、キャリアアップは自身の能力向上や会社の利益にもつながり、将来的な給与や昇進にも影響します。しかし、かつてはキャリアアップは正社員に限られるもので、派遣社員には縁がないものという風潮がありました。

派遣社員は派遣先での業務に関する研修は受けるものの、キャリアアップに向けた研修を受ける機会はほとんどなく、派遣業務の経験が履歴書に記載できないこともありました。このため、長期間派遣で働いてもキャリアを形成することが難しいとされていたのです。

さらに、派遣社員から正社員への転換も困難であり「派遣で働き始めると正社員にはなれないのではないか」という不安から、派遣という働き方に対して抵抗を感じる人も少なくありませんでした。しかし、現在では状況が大きく変わりつつあります。

短期間の派遣業務に限らず、専門的な分野や管理職にも派遣社員が活用されるようになりました。さらに、正社員と派遣社員の格差が問題視されたことを受けて2015年に改正された派遣法により、派遣社員のキャリアアップ支援が派遣元に義務付けられました。

この改正により、派遣元は派遣社員が専門性を高め、職務の幅を広げながらキャリアを積んでいくことが可能となったのです。さらには、正社員化や直接雇用化に向けた支援も行われるようになったのです。

これには派遣社員の教育研修やキャリアカウンセリングといったキャリアアップに向けた研修も含まれます。

派遣でキャリアアップするメリットを紹介

派遣社員として働きながらキャリアアップを目指すことには、アルバイトやパートで働く場合に比べて多くのメリットがあります。

様々なキャリアアップ研修を受けられる

最大のメリットは、派遣元にキャリアアップ教育の研修が義務付けられている点です。

この制度により、派遣社員はさまざまなキャリアアップ研修を確実に受けることが可能です。派遣社員は、自身の派遣内容やキャリアアップ計画に応じて、必要な研修を選択し受講することが可能です。

キャリアアップ補助金が支給される場合がある

また、キャリアアップ支援の一環として、キャリアアップ研修に対して補助金が支給される場合もあります。

この補助金の存在により、派遣元は研修を実施する際の経済的負担を軽減でき、結果として質の高いキャリアアップサポートを提供可能になります。派遣元にとって研修は確かに負担となる一方で、その研修を通じて派遣社員のスキルが向上し、会社全体の業務効率や品質も向上するでしょう。

そのため、積極的に充実した研修を行っている企業も少なくありません。

アルバイト・パートの場合キャリアアップの負担が大きい

アルバイトやパートでキャリアアップを目指す場合は、外部のセミナーに自費で参加しなければいけません。

この点において、派遣社員が享受できる研修環境とは大きな違いがあります。さらに、正社員であってもキャリアアップのための研修が十分に提供されるとは限りません。正社員の研修は、その会社ごとの方針に従い実施されるため、研修内容が業務に直結するものに限定される場合があります。

これに対して、派遣社員は国の規制に基づき、体系的かつ計画的にキャリアアップを支援される環境が整っているため、確実に必要なスキルや知識を身につけることが可能です。

派遣でできる具体的なキャリアアップ例

最後に、具体的に派遣社員がどのようにキャリアアップできるのかを見ていきましょう。

キャリアアップは段階的に進められる

派遣社員のキャリアアップは、個々のキャリアアップ計画に基づき、段階的に進められます。

キャリアの内容は多岐にわたり、ビジネスマナー、パソコンやその他のOA機器に関する専門知識、派遣業務に関連する知識、資格や免許の取得など、さまざまな要素が含まれます。まずは、自分の現在のキャリアを分析しましょう。

派遣社員としてどのようなキャリアプランを目指すか、具体的に決めることが大切です。たとえば、正社員を目指す、派遣社員としてさらに専門分野でのスキルアップを目指すといった目標を設定できます。

派遣元はキャリアカウンセリングも提供していることが多いので、将来を見据えてキャリアアッププランの相談をすることが可能です。このプランに基づいて、実際の研修が行われます。

キャリアアップ研修の具体例

派遣会社が提供するキャリアアップ教育の研修には、OJT（On-the-Job Training）に相当する基礎的なビジネスマナーやOA機器に関する研修が含まれます。

また、派遣先での業務に必要な知識を補う研修もあります。具体例として、販売員研修やテレフォンアポインター研修、接遇マナー研修など、現場での実践に役立つ研修が挙げられます。これらのスキルは、正社員としての雇用においても非常に重要です。

さらに、より専門的な知識や資格の取得を目指す場合、派遣会社によっては、外部の専門スクールとの提携や資格取得費用の補助を行う支援制度もあります。

取得可能な資格の例として、日商簿記検定、マイクロソフトオフィススペシャリスト、秘書技能検定、フォークリフト免許、危険物乙種4類などがあります。とくに資格の取得は、キャリアアップにおいて非常に有効です。

これにより、専門的な業務においても大きなメリットを得られます。正社員として働きながら資格を取得することが難しい場合も多いため、派遣社員であることがキャリアアップのうえで有利になることも少なくありません。

まとめ

派遣社員として働きながらキャリアアップを目指すことは、今では十分に可能です。かつては正社員に限られていたキャリアアップが、派遣法の改正により派遣社員にも適用されました。派遣社員は体系的な研修や資格取得の支援を受けながら、自分に合ったキャリアプランを作成し、着実にスキルを向上できます。これにより、派遣社員でありながらも、正社員転職や専門分野でのスキルアップが実現可能です。

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