派遣社員は何歳まで働ける？

派遣社員として働く上で「何歳まで働けるのか」という年齢の壁が気になる方も多いのではないでしょうか。派遣社員は正社員とは異なる雇用形態なので、年齢による採用制限があるのか、実際に何歳まで活躍できるのか不安を抱く方は少なくありません。そこで今回は、派遣社員の年齢制限について、くわしく解説していきます。派遣社員として働くことを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

派遣社員に年齢制限はあるの？

結論から言うと、派遣社員には年齢制限はありません。雇用対策法によって年齢制限が禁止されているため、正社員と違って年齢に関係なく働き続けることができます。なお、常用型派遣に関しては、それぞれの派遣会社で定められた年齢まで働けます。

また、派遣会社によっては、特定の年齢層に特化していることもありますが、原則として年齢を理由として登録を断られることはありません。ただし、派遣会社は年齢不問であっても、現場では実質的な年齢制限が存在することもあります。

とくに、実務経験や体力が重視される職種の場合、年齢が影響するケースは少なくありません。

実際に何歳まで派遣社員として働ける？

では、実際に何歳まで派遣社員として活躍できるのか、派遣社員の年齢分布を踏まえて解説していきます。

派遣社員として働く人の年齢分布

一般社団法人 日本人材派遣協会が公表しているデータによると、男性・女性ともに幅広い年齢層が派遣社員として働いています。以前までは、派遣社員といえば20～30代が多いイメージがありましたが、現在は40代以上が全体の過半数を占めています。

年齢別の割合で見ると、40代が38.7％と最も多く、次いで50代が並んでいます。また、2019年と2020年のデータを比較すると、50代の割合が約6％も上昇しています。派遣社員は年齢を重ねると採用されにくい印象がありますが、割合だけで見るとそうとも言い切れません。

実際に派遣会社の求人動向を見ると、40～50代が活躍できる案件が数多くあります。とくに、軽作業や事務、介護職などは年齢に左右されにくく、幅広い年齢層の派遣社員が活躍しています。

派遣会社によっては特定の年齢に特化しているケースもある

派遣社員は年齢による制限を受けることはありませんが、派遣会社によっては特定の年齢に特化しているところもあります。その理由としては、その派遣会社が取り扱う求人がその年齢層に偏っていることが挙げられます。

派遣会社は、それぞれ特徴や強みが異なります。とくに、専門スキルが求められる職種などでは、未経験者は不採用になりやすい傾向にあります。

そのため、派遣会社に登録する際には、まず募集している年齢層と取り扱っている求人の内容をチェックすることが大切です。

派遣社員として働き始めるときのポイント

派遣社員として働き始めようと思っている方に向けて、年齢別の注意点を紹介します。

20代の場合

20代は、さまざまな働き方が選べる時期です。派遣会社で取り扱っている求人においても、若年層を対象とした未経験者歓迎の求人が数多く見受けられます。派遣会社によっては、研修制度が充実しているところもあるため、スキルを身につけて専門分野での活躍も目指せます。

その一方で、選択肢の広さから進路に迷ってしまう方が少なくありません。20代で派遣社員として働くのであれば、どの職種・業界で今後働いていきたいかを明確にすることが大切です。

20代はキャリアの基礎を築いていく時期です。20代でどのように働くかによって、30代以降のキャリアが決まってきます。将来のイメージが湧かない方は、派遣会社のコーディネーターに相談するのも一つの手です。

また、将来的に正社員を希望しているのであれば、紹介予定派遣がおすすめです。派遣会社に登録する際には、紹介予定派遣を多く取り扱っている会社を選ぶと良いでしょう。

30代の場合

30代から派遣の働き方を検討している方は、結婚や出産などのライフイベントを経て、新たに働き始める方が少なくありません。その場合、派遣社員の強みである「柔軟性のある働き方」に重点を置いて、仕事探しをすることが大切です。

また、これまで働いていた業界とは違った業界にチャレンジする予定の方は、その先のキャリアプランを見据えて慎重に判断することをおすすめします。なぜなら、どんな職種でも実務からしばらく離れると、元の職種に戻ったときに苦労する可能性が高いからです。

これまで経験したことのある職種や業界で今後も活躍したいと考えているのであれば、なるべく同じ職種・業界のお仕事を選ぶようにしましょう。反対に、今後も新しい職種で働き続けるつもりであれば、5年後・10年後のキャリアプランを立てた上で仕事を探すことをおすすめします。

40代の場合

40代から派遣のお仕事を始める方は、子育てがひと段落して本格的な復職を考えている方やライフスタイルに合った働き方を希望している方がほとんどです。40代で派遣のお仕事を探すなら、専門性を活かした働き方を選ぶのがおすすめです。

派遣会社によって、取り扱っている求人の種類はさまざまです。事務・オフィスワーク系や製造業・メーカー、医療系など、特定の領域に特化しているところも少なくありません。

その中で、これまでに積み重ねてきたスキルや資格を活かせる派遣会社を選ぶことが大切です。派遣会社の公式サイト上には、実際に取り扱っている求人が掲載されていますが、あくまでも一部の求人となっています。登録してみないと紹介されない非公開求人を用意している派遣会社がほとんどです。

まずは複数の派遣会社に登録し、なるべく多くの求人の中から希望に合ったものを見つけると良いでしょう。

50代の場合

50代から派遣社員を目指す方の多くは、仕事選びの条件が明確に定まっている方が多いのではないでしょうか。ほかの年代と比べると「これまでのキャリアを活かして働きたい」という方と「なるべく負担がなく、ライフスタイルに合わせて働きたい」という方とで二極化する傾向が見られます。

50代から派遣社員として働くなら、50代以降を積極的に受け入れている派遣会社を選ぶことをおすすめします。シニア層向けの求人を豊富に取り扱っている派遣会社であれば、希望に合った職場が見つかりやすいでしょう。

また、これまで培ってきたスキルを活かして働きたいのなら、その業界や業種に特化した派遣会社を選ぶと良いでしょう。ただし、スキルを活かせる職場を探すことは大切ですが、かえって視野が狭まってしまい、企業とマッチングしづらくなるリスクもあります。

50代以降の方で「自分に合う就業先が見つからない」と悩んでいる場合は、自身の経験やスキルを分析した上で、希望する求人領域を広げられないか考えてみましょう。たとえば、企画営業としての経験を持っているのであれば、資料作成や顧客とのコミュニケーション、数値管理などの強みがあります。

その中で、顧客とのコミュニケーションに着目してみると、営業アシスタントや販売員、コールセンターなどの職種が候補として挙がってきます。人は何歳からでも新しいことにチャレンジできるものです。貴重なチャンスを逃すことのないように、ポジティブな感情で仕事探しをしてみましょう。

まとめ

今回は、派遣社員に年齢制限があるのか、について解説しました。派遣社員には法的な年齢制限はないものの、実際には職種や企業によって年齢が選考に影響するケースもあります。しかし、40代や50代、60代でも派遣社員として活躍している方は少なくありません。年齢を理由に諦めるのではなく、自分に合った職場を見つけ、継続的にスキルアップに取り組むことで、長く安定して働くことができます。仕事探しで悩みを抱えているのであれば、まずは複数の派遣会社に登録してコーディネーターに相談してみると良いでしょう。本記事が参考になれば幸いです。

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